EDM制作のコラム「EDM制作で曲構成をどうするか悩んだ時の為にメモってみる」で少し触れていた、自己流のシンセ・フレーズ・パターンの作り方についての番外編・雑記です。
今回の「アルペジオフレーズ反転方」はEDM楽曲制作のフレーズ創作の際にネタの引き出しの一つとして参考にしていただければ幸いです。

シンセのフレーズのネタ制作はどうするか？

「EDM制作で曲構成をどうするか悩んだ時の為にメモってみる」での「EDM編集のChorus（サビ）部分をどうするか？」で触れていた、メインフレーズのパターンをどうやって作って行くか。

今回は、自己流ですが自分がよく使うフレーズ制作の一つをご紹介します。

まずはアルペジオ系のMIDIデーターを用意する

今回の例ではトランスなどでよく聞かれるシンセのフレーズパターンを作る際に意外と使える、「アルペジオフレーズ反転方」です。

今回の例では、ギターのアルペジオのMIDIデーターを使います。

こんな感じのギターフレーズのMIDIデーターをピアノ音源で鳴らしています↓

トランスに合いそうなコード進行で良い感じです。
ただこのままだと揺らぎのあるフレーズになってしまい、トランスっぽいカッチりしたフレーズでは無いのでこれを元に改造していきます。

ピアノロールはこんな感じになっています。

和音を無くしクォンタイズをかけて音量を一定にする

音を聞くとこんな感じに↓

この段階ではまだダンパーペダルのMIDI情報が入ったままなので、入っている場合は消します。

ピアノロールはこんな感じになっています。

MIDIデータから編集したフレーズパターンを反転（リバース）する

元のアルペジオ系のMIDIデータから編集したフレーズパターン全体を反転（リバース）します。

先ほどのデータをそのまま反転すると…　↓

一瞬なんだこりゃ・・・と思いきや、一部「おっ・・・！」と思えるパターンがあれば、それは美味しいフレーズ部分です。

ピアノロールはこんな感じになっています。

弄くり回して編集した8小節のMIDIフレーズはこうなる

全体的な音を左右にずらしたり、一部の音を抜いたり、トランスでサイドチェインを使用して鳴るシンセの音を考慮しながら、ピアノロールでMIDIデータを編集していきます。

改造したフレーズはこんな感じに↓

最初のギターのアルペジオのMIDIデータと聴き比べると雰囲気は似ていますが、コード進行などは違うものになります。
元のMIDIデータは↓


ピアノロールはこんな感じになっています。

実際にEDM系のサウンドで鳴らしてみるとどうなるか

出来上がったデータを元に、トランス系のシンセ音源に差し替えて、キック、ベース、ハイハットを入れてどんな感じになるか試作してみます。

一通りトランスっぽい音でバランスを調整し、フィルターで音を変化させたりするとこんな感じになりました↓

PLUCK系の音の方が合っていたかもしれませんが、そこそこトランスっぽいフレーズパターンが出来上がりました。
更にここから音を組み替えたり、一部の音を抜いたり、ルート音を変えたり、音符を短くして歯切れを良くしたり、煮詰めて行くと、新たなフレーズネタの一つとして活用の幅が広がりますね。



MIDIプラグインなどのランダム・アルペジエーターなどで作るフレーズも、反転させて更に新たなフレーズとして活用して行くのも面白いかも知れませんね。

以上で、フレーズネタに困った時に試してみると意外と使えるフレーズ作成の小ネタでした。
楽曲制作の際の、自分のシンセフレーズパターンのコレクションやプリセット、テンプレートを作る際に参考にしていただけると幸いです。

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